『空き家』は社会問題となるほど増えています。行政による新たな対策も打ち出されています。2014年11月に制定された「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家対策特別措置法)」に基づき、『空き家』にかかる税金について解説。税金による負担を少しでも軽くすることは所有者様にとって大切なことです。
1.『空き家』でも税金はしっかりとかかる
不動産を所有していると居住者の有無に関わらず、「固定資産税」と「都市計画税」がかかります。いずれも「土地」や「家屋」に課される税金で、市町村が税額を計算し、不動産所有者に納税義務が生じます。
■固定資産税の計算
課税標準額×1.4%(標準税率)
■都市計画税の計算
課税標準額×最高0.3%(制限税率)
これらの税金ですが、「固定資産税等の住宅用地特例」という制度により、税金が安くなっています。「住宅用地特例」の条件として「住宅が建っている」ことが前提です。『空き家』もこの軽減措置の対象となります。
軽減措置の計算
「特定空き家」に認定されてしまうと、上記の特例率の減税措置が受けられなくなります。だから、固定資産税が6倍になる!と言われています。
2.『空き家』でも建物は残しておいたほうが税対策では有利である
『空き家』だとしても固定資産税や都市計画税を払う義務は生じます。しかし、ある程度の管理がされていれば『空き家』であっても軽減措置を受けることが出来る。ということになります。なお、『空き家』を解体し更地にする場合は特例率の軽減措置を受けることは出来ません。
■固定資産税は「建物」と「土地」それぞれに課税されるもの
■建物を解体し更地にした場合は、「建物」に対する固定資産税の課税はなくなりますが、「固定資産税等の住宅用地特例」が適用されなくなるため、特例率(1/6や1/3等の軽減措置)はなくなり、固定資産税の総額は上がってしまいます。
上記も踏まえると、建物をのこしたまま、軽減措置を受ける方が税制的に有利に働きます。